5月5日は端午の節句、そしてかしわ餅(柏餅)の季節です。
和菓子屋さんが作り始めるのは春の彼岸が終わった3月下旬頃でしょうか。
かしわ餅は日本の歴史文化の象徴ともいえる国産オリジナル和菓子です。
しかしその由来は中国2300年前にあるのです。
このころ中国は、戦国時代でした。(後に秦の始皇帝が中国を統一する)
そしてたくさんの小さな国の一つに楚(そ)の国がありました。
楚の国の側近に屈原(くつげん)
(前340頃〜前278頃)という政治家がいました。
詩人でもあった彼はその正義感と国を思う情は強く、人々の信望を集めていました。
しかし、屈原は国内の派閥争いに巻き込まれ、国を追われてしまいます。故国の行く末に失望した屈原は、汨羅(べきら)という川に身を投げてしまったのです。
人間屈原は、民衆にたいそうしたわれていました。
国と人民に尽くした屈原の政策は、死んだ後もいっそう人々に惜しまれ、多くの粽(ちまき)を川に投げ入れて国の安泰を祈願する風習に変わって行きます。
そして、その風習は、病気や災厄(さいやく)を除ける大切な宮中行事、端午の節句となったと言われています。
三国志の時代に端午の節句は、魏(ぎ)の国により旧暦五月五日に定められ、やがて日本にも奈良時代に伝わって行きました。
中国のちまきから日本発祥のかしわ餅が生まれた!
かしわの葉は新芽が付かないと古い葉が枯れ落ちないことから家系が絶えない縁起の良い葉として、親しまれました。
いかにも徳川時代らしい、お話ですよね!
香が良い葉であることから食べ物を包むのに使われ、更にかしわ餅へと進化したようです。
昭和の時代、戦後世の中が平和になった、昭和20年代に現在のかしわ餅が爆発的に売れるようになりました。
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